桜樹ルイ
Rui Sakuragi
本名海老沢美紀(とされる)
生年月日1969年3月8日
出身地熊本県生まれ・埼玉県富士見市育ち
身長164cm
血液型B型
活動期間1989年 - 1991年、1996年(AV)
デビュー1989年4月『アダルトさせて』(一ノ瀬雅子名義)
ジャンル単体女優
専属ダイヤモンド映像
レーベルダイヤモンド映像、VIP、アトラス21
主な受賞1990年度AVアイドル賞、AVマドンナ横綱賞(1991年)
別名相沢美紀、一ノ瀬雅子
公式サイト公式X(2023年開設)

概要[編集]

桜樹ルイ(さくらぎ るい、1969年3月8日 - )とは、1990年代初頭に「AVクィーン」と呼ばれた日本の元AV女優・女優である。タレントからAVへ転身し、ダイヤモンド映像の専属女優として当時の業界で最も売れた一人とされる。

詳細[編集]

どんな人物か[編集]

1990年代前半を代表するAV女優で、当時「千本売れればヒット」と言われた時代に、毎回コンスタントに8千本から1万本を売り上げたとされる。1992年の海外誌の記事では、AV界で「最大のスター」と紹介され、1本あたりのギャラは300万円と報じられた。

AVのほかにも歌手デビュー、テレビドラマ、Vシネマ・映画、ストリップと活動の幅が広く、「AV女優が一般の芸能界にどこまで出ていけるか」を早い時期に試した人物でもある。趣味はファミコン(ファミリーコンピュータ)、特技はエレキベースという、ちょっと意外な一面の持ち主でもあるらしい。

AV時代のプロフィールは「1970年3月8日生まれ・東京都出身」とされていたが、実際の生年は1969年、出身は熊本県とされる。一つ上の姉と四つ下の弟がいる。

略歴[編集]

タレント時代[編集]

熊本県生まれ、埼玉県富士見市育ち。埼玉県立富士見高校卒業。ロック好きで高校時代は友人とバンドを組み、ボーカルとベースギターを担当していた。『夕やけニャンニャン』(フジテレビ)の公開オーディションにも出演し、最終選考まで残ったことがある。卒業後の1987年、相沢美紀の名前でモモコクラブ桃組に所属したあと、一ノ瀬雅子に改名。グラビアを中心に活動し、NHK大河ドラマ『春日局』(1989年)に端役で出演したこともある。

AV女優として[編集]

1989年4月に『アダルトさせて』でAVデビュー。最初の2本は大きな話題にはならなかったものの、タレントからAV女優へ転身した先駆者の一人とされる。1990年4月に「桜樹ルイ」と改名し、AV出演を条件にCD『Papillon』(クラウン)で歌手デビューも果たした。

転機となったのは、作品内で確実に本番を行うことで有名だったダイヤモンド映像への移籍である。そのハードな内容で一気に人気に火がつき、以後はトップAV女優として出演を重ねた。社長の村西とおるが率いた同社の看板女優の一人で、メーカーとしてのダイヤモンド映像を飛躍させたキーパーソンの一人ともいわれる。1990年度のAVアイドル賞を受賞し、翌1991年にも各誌の人気投票や「AVマドンナ横綱賞」などを受賞した。

仕事が親に知られて一時は勘当状態になったが、1992年にNHKのドラマ『とおせんぼ通り』に出演したことで勘当が解けたという。

失踪事件[編集]

1990年11月にパッケージ撮影まで済ませていた作品があったが、1991年1月、本編の撮影前に突如失踪し、業界中を騒然とさせた。主演女優不在という異常事態のなか、担当監督は過去の素材や村西とおる、他の専属女優へのインタビューなどでこの作品を仕上げたと伝えられる。

本人は後に、失踪の理由として「売上への貢献に報酬が見合っていなかったこと」を挙げ、同じ事務所の別の女優とのギャラの差にも触れた。業界への復帰は、VIPの社長の口利きによるものだったとされる。トップ女優でも報酬の決め方が不透明だった、当時のAV業界の構造がそのまま表に出た事件といえる。

引退と女優転身[編集]

1991年6月に元AV男優のマネージャーと結婚したが、翌年離婚した。映画『幻想のParis』(1992年公開・松尾嘉代と共演)への出演をきっかけに女優への転身を志し、1991年末にAVを引退した。

1992年にはバンド「CHERRY LOUIE」を結成し、シングル『さわるんじゃねー』(1992年11月11日)をリリース。この曲はTBSの番組『Zutto』のオープニングテーマに使われた。

ストリップとAV復帰[編集]

1995年10月、浅草ロック座でストリッパーとしてデビューし、全国の劇場に出演した。1996年にはAV監督の求めに応じて短期間AVに復帰し、『不死鳥ふたたび』『さよなら桜樹ルイ 伝説から神話へ』など4本に出演した。この復帰はアトラス21との3本契約として始まり、1996年3月の『不死鳥ふたたび』が1本目だったとされる。3本目のあと、ファンの反響を受けて4本目の『さよなら桜樹ルイ』が作られたという。引退後も、アトラス21・九鬼・アリスJAPANなどから過去作の再編集作品が発売されている。2000年12月20日、川崎ロック座での興行を最後にストリップからも引退した。

2020年代[編集]

2021年、Netflixのドラマ『全裸監督』シーズン2で、桜樹ルイをモデルにした役(劇中名「咲良夢梨亜」)を佐藤あいりが演じ、改めて名前が知られるきっかけになった。2023年9月21日には公式X(X (SNS))を開設し、約15年前に潰瘍性大腸炎を発症して現在は寛解期にあることを本人が明かしている。

時代背景[編集]

桜樹ルイが活躍した1989年〜1991年は、家庭用ビデオデッキの普及とともにレンタルビデオ店がAVの主な流通先になっていた時期にあたる。女優の名前で作品が借りられる「単体女優」の人気がメーカーの業績を左右し、トップ女優はグラビア誌や深夜番組にも登場した。桜樹ルイの歌手デビューやテレビ出演、写真集の多さは、AV女優が一般向けのタレントとしても売り出されていた当時の状況をよく表している。

一方で、失踪事件で本人が語った報酬の問題のように、女優の取り分や契約の中身は外からは見えにくかった。人気と待遇の差が大きかったことが、トップ女優自身の口から語られた例としても知られる。

主な出演[編集]

AV[編集]

  • 『アダルトさせて』(1989年・一ノ瀬雅子名義)
  • 『突然、炎のように』
  • 『ダイヤモンド・スペシャル5』
  • 『吾輩は猫である』
  • 『桜樹ルイの非口全ワイセツ』
  • 『不死鳥ふたたび』(1996年)
  • 『さよなら桜樹ルイ 伝説から神話へ』(1996年)

映画・オリジナルビデオ[編集]

  • 『幻想のParis』(1992年)
  • 『東雲楼 女の乱』(1994年)
  • 『銀座警察 武闘派刑事』(1994年)
  • 『チンピラぶるーす ど・アホ!』(1996年)
  • 『銀の男 青森純情篇』(2002年)
  • オリジナルビデオ『死神の使者 DEATH MESSENGER』『私をベッドにつれてって』『どチンピラ』シリーズなど(1991年〜2001年)
  • ピンク映画やVシネマにも多数出演した。

テレビ・ラジオ[編集]

  • 『春日局』(1989年・NHK)
  • 『セールスレディ連続殺人事件』(1991年・テレビ朝日)
  • 『とおせんぼ通り』(1992年・NHK)
  • 『家政婦は見た!』(1997年・テレビ朝日)
  • 『冷たい月』(1998年・よみうりテレビ)
  • バラエティ『オールナイトフジ』(1990年)、『金髪先生』(1996年・レギュラー)、『志村けんのバカ殿様』(1999年)など
  • ラジオ『ルイとあすかのわがままサンデー』(茨城放送・1990年1月〜3月)

音楽・書籍[編集]

  • シングル『Papillon』(1990年4月21日)
  • CHERRY LOUIE『さわるんじゃねー』(1992年11月11日)
  • 写真集『桜樹ルイ写真集』(1990年・1991年・1993年ほか)、『NOON&MOON』(1992年)、『OUTBACK』(1994年)、『nu』(1996年)、『櫻』(2002年)など
  • 連載『桜樹ルイのおねだり対談』(週刊大衆・1990年〜1991年)

人物[編集]

タレントからの転身、歌手デビュー、そして失踪劇と、話題に事欠かない経歴で知られる。同じ1990年代を彩った小室友里、あるいは1980年代の愛染恭子と並んで、レンタルビデオ全盛期のアダルト史を象徴する女優の一人である。社会学者の赤川学は、樹まり子と並べて「AV女優として要求されるすべての訴求点を満たした存在」と評している。

1991年に大学のイベントに出演した際は多くの学生が集まったとされ、当時の人気の大きさを伝える逸話として語られる。のちには新宿・歌舞伎町のイメクラのオーナーだったこともある。

余談[編集]

  • 漫画『金田一少年の事件簿』の登場人物「桜樹るい子」の名前は、桜樹ルイが元ネタとされる。
  • AV女優の名前を条件に歌手デビューさせるという売り出し方は、当時のAVがレンタルビデオ店の主力商品であり、女優がそのまま一般向けのタレントとして扱われ始めていた時代を反映している。
  • 村西とおるの半生を描いた『全裸監督』は山田孝之主演で配信され、同じく村西とかかわりの深い黒木香や松坂季実子の時代とともに、1980年代末〜1990年代初頭のAV業界があらためて注目された。
  • 引退作として出した作品に、さらにファンの反響で追加の1本が作られたとされ、「引退作が何本もある」状態になっている。
  • 特技のエレキベースは、のちのバンド「CHERRY LOUIE」の結成につながった。

関連項目[編集]

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