ゴールドランド
골드랜드 / Goldland(Gold Land)
Park_Bo-young_in_June_2025.jpg
主人公キム・ヒジュを演じたパク・ボヨン(2025年6月。出典:Wikimedia Commons「Park Bo-young in June 2025.jpg」)
ジャンル 犯罪スリラー/サバイバル・スリラー/ノワール
放送シーズン シーズン1
放送期間 2026年4月29日 - 2026年5月27日
放送時間 毎週水曜16:00(日本時間・韓国時間)に2話ずつ更新
話数 全10話
放送国家 韓国
言語 韓国語
配給 ウォルト・ディズニー・カンパニー・コリア
配信 Disney+独占(日本ではディズニープラス「スター」で日本語字幕・日本語吹替)
平均視聴率 (配信作品のため視聴率なし)
制作
企画 Disney+オリジナル
演出 キム・ソンフン
制作 スタジオドラゴン(共同制作)
脚本 ファン・ジョユン
出演者 パク・ボヨン、キム・ソンチョル、イ・ヒョヌク、キム・ヒウォン、ムン・ジョンヒ、イ・グァンス、イ・ソル ほか
その他
原作 なし(オリジナル脚本)
外部リンク Disney+公式サイト

概要[編集]

ゴールドランド(原題:골드랜드/英題:Goldland)とは、2026年4月29日から5月27日までDisney+で独占配信された全10話の韓国ドラマである。空港の保安検査員キム・ヒジュ(パク・ボヨン)が密輸組織の金塊1500億ウォン分を偶然抱え込み、欲望と裏切りの渦の中で「全部自分のものにする」ために生き延びようとするサバイバル・スリラー。デビュー20年目のパク・ボヨンにとって初の本格犯罪ジャンル作であり、「国民の妹」と呼ばれた彼女の“黒化”が最大の話題になった。

詳細[編集]

「金塊を返しそうな人」が返さなかったら[編集]

企画の出発点は、演出のキム・ソンフン監督がパク・ボヨンに投げかけた問いだったとされる。金塊を拾ったら真っ先に持ち主へ返しそうなイメージの人物が、まったく別の選択をしたらどうなるか。監督は「欲望から最も遠そうなイメージのパク・ボヨンを通して、平凡な欲望が育っていく過程を見せたかった」と語っており、視聴者がそのギャップにカタルシスを感じるはずだという狙いがあった。善悪で人物を色分けするのではなく、人間の欲望そのものを正面から見つめる作品だと監督自身が説明している。

青少年観覧不可のダークスリラー[編集]

韓国では青少年観覧不可(19歳以上)の等級で配信された。第1話から暴力描写や緊張感の強い場面が続き、「Disney+の韓国ドラマにしては攻めている」という受け止めが広がった。韓国メディアの中には、この高い“水位”(過激さ)がかえって話題を呼び、同時期に配信されていたMBC・Disney+の話題作『21世紀の大君夫人』を抑えて首位に立ったと分析する記事もあった。素手のアクション、カーチェイス、ワイヤーアクションまで盛り込まれ、パク・ボヨンは銃を扱う場面にも挑んでいる。

舞台は空港・廃鉱・カジノ[編集]

物語は国際空港の保安検査場から始まり、金塊を隠すための廃鉱の町、犯罪組織が根を張るカジノホテル「ゴールドランド」、そして息が詰まるほど狭い金庫室へと移っていく。韓国メディアは、こうした空間の美術が人物の内面を映し出していると評価した。タイトルの「ゴールドランド」はこのカジノホテルの名前であると同時に、登場人物全員が目指す“黄金郷”を示すダブルミーニングになっている。制作発表時には海外ロケも予定されていると伝えられた。

あらすじ[編集]

地方出身のキム・ヒジュは、恋人である航空会社の副操縦士イ・ドギョンの助けもあって国際空港で働き始め、保安検査員として平凡な毎日を送っていた。二人は職場に秘密で交際している。ところがある日、ドギョンから「謎の荷物」を隠してほしいという怪しい頼みを受け、断り切れないまま密輸に手を貸してしまう。

その荷物の正体は、密輸組織の金塊。総額1500億ウォンにのぼる金塊がヒジュの手元に残ったことで、彼女は韓国で最も危険な男たちに追われる身となる。カジノ下部組織「クムソン」を仕切る冷酷なパク理事、ゴールドランドのカジノと関わる刑事キム・ジンマン、そして貸金業者の末端組員で、誰よりも早くヒジュが金塊を持っていることに気づいたウギ(チャン・ウク)。それぞれの欲望を抱えた人間たちが、金塊を巡って協力と裏切りを繰り返していく。

最初は恋人の指示に従うだけだったヒジュは、追い詰められるうちに「この金は私のものだ」という執念に目覚めていく。失うくらいなら死んだほうがましだ、というところまで変わっていく彼女の姿が、全10話を通じた最大の見どころである。

結末(ネタバレ)[編集]

最終話(第9・10話、2026年5月27日配信)では、ヒジュは金塊を手にし、フランスでウギと再会する。ヒジュはフランスでワイナリーを営んでいる。エンドクレジット後にはカンボジア系の組織の人物が登場し、続編を匂わせる幕切れとなった。キム・ソンフン監督は「続編を前提にしたわけではない」としつつ、「金塊によって本当の勝者は誰もいない」ことを示す場面だと説明し、仮にシーズン2があれば金塊を「守る」ことが焦点になると語った。パク・ボヨンは結末について「すっきり終わった感じではない」と述べ、ヒジュがフランスを選んだのは、ドギョンと一緒にフランスへ行った時間が一番幸せな記憶だったからだと解釈している。

登場人物とキャスト[編集]

キム・ヒジュ(演:パク・ボヨン)[編集]

本作の主人公。国際空港の保安検査員(報道によっては税関職員とも表記)。恋人ドギョンの頼みで密輸に巻き込まれ、金塊を抱えたまま逃げることになる。物語が進むにつれて欲望に呑み込まれ、心身ともに疲弊していく。パク・ボヨンは監督の要望で約3kg減量し、劇中ほぼ全編で色味のあるメイクをせず素顔に近い状態で撮影に臨んだ。本人は「どうにかして生き延びようとする顔だから、本当に笑顔が出てこない」と語っている。

ウギ/チャン・ウク(演:キム・ソンチョル)[編集]

貸金業者「イエスマネー」の末端組員。ヒジュの昔の近所に住んでいた人物で、彼女が金塊を持っていることに最初に気づく。人懐っこい態度で協力を申し出るが、いつ裏切るかわからない敵とも味方ともつかない存在。子どものような無邪気さと相手を一瞬で制圧する素早さを併せ持ち、ヒジュのためには命も懸ける義理堅さを見せる。キム・ソンチョルは普段より声のトーンを上げ、意識の流れのような話し方で人物像を作ったという。

イ・ドギョン(演:イ・ヒョヌク)[編集]

ヒジュの恋人で、航空会社の副操縦士。ヒジュを密輸に引き込み、事件の発端となる人物。イ・ヒョヌクは、ドギョンの吃音や息切れといった反応を整えずに生々しく見せることを選んだと語っている。彼にとってヒジュは逃げ場のような存在だったが、その関係が最も危険な結果を招くことになる。パク・ボヨンは「ヒジュがドギョンを愛していたのか、ここから抜け出す手段としてすがっていたのか、わからない」と話している。

キム・ジンマン(演:キム・ヒウォン)[編集]

強力班の刑事。ゴールドランドのカジノと結びついた汚職警官で、「欲望に担保を取られた人物」と紹介された。キム・ヒウォンは『ムービング』などで知られる俳優で、Disney+『照明店の客人たち』では監督も務めている。パク・ボヨンは彼を「頼もしい父親のような存在」と表現した。

ヨ・ソノク(演:ムン・ジョンヒ)[編集]

ヒジュの母親。一筋縄ではいかない複雑な母娘関係にあり、「欲望が尽きた人物」と位置づけられている。パク・ボヨンは撮影の最後には完全に母親として見られるほど役に入り込んでいたと語った。

パク理事/パク・ホチョル(演:イ・グァンス)[編集]

カジノホテル「ゴールドランド」の下部組織「クムソン」を管理する幹部で、消えた金塊を追う本作最大の悪役。イ・グァンスは傷跡や金歯、アクセサリーで荒んだ人生を表現し、サイコパス的な面を実感を持って演じようとしたという。『ランニングマン』のイメージとは真逆の冷たい目つきと怒声は、配信直後から「初回の緊張感を引っ張る主役級」と高く評価された。

ユジン(演:イ・ソル)[編集]

ヒジュの同僚にあたる空港の保安検査員。

制作[編集]

脚本は映画『オールド・ボーイ』や『殺人者の記憶法』の脚本で知られるファン・ジョユン。本作が配信シリーズの脚本デビュー作となった。演出は映画『コンフィデンシャル/共助』『王宮の夜鬼』、ドラマ『捜査班長 1958』などを手がけたキム・ソンフン監督。日本版Disney+の紹介ではスタジオドラゴンとの共同制作とされている。

作品の存在が明らかになったのは2025年6月10日。Disney+が2026年に独占公開することとキャストを発表した。同年11月13日には香港ディズニーランド・リゾートで開かれた「Disney+ Original Preview 2025」で紹介され、パク・ボヨンは「逃げて、転んで、泥だらけになる場面が多い」と予告。イ・ヒョヌクは「金塊の前では誰もが揺れ動くしかない」と作品のテーマを語った。2026年4月1日にスチールが公開され、配信2日前の4月27日にはソウル・汝矣島のコンラッド・ソウルで制作発表会が開かれた。

制作発表会では「1500億ウォンの金塊が手に入ったらどうする?」という質問が出され、キャストの答えが話題になった。パク・ボヨンは「少しは自分のために使いたい」と現実的に答え、キム・ヒウォンは「盗もうかと思ったが危険すぎる。賢く使って文化の発展に寄付する」、イ・ヒョヌクは「一日にいくら使えるのか試したい」とコメント。悪役のイ・グァンスは「持ち主に返して、謝礼をもらって銀行に預けて利息で暮らす」と最も慎重な答えを返して笑いを誘った。

評価・反響[編集]

配信開始直後から韓国のDisney+では強い存在感を示した。FlixPatrolの集計では、5月2日時点でDisney+韓国の「TOP 10 TVショー」で3日連続1位を記録し、日本、台湾、ブラジル、ペルー、ボリビア、ベネズエラなど19の国と地域でも上位に入った。韓国のトレンドランキング「キノライツ」の総合1位、話題性調査「ファンデックス」でも上昇傾向を見せた。

この時期、Disney+の韓国での月間利用者数は4月に346万人(モバイルインデックス集計)と前年の200万人台から伸びており、韓国メディアは本作がDisney+韓国の勢いを後押ししたと報じた。ただし同じ集計でNetflixは1479万人、Coupang Playは910万人、TVINGは770万人、Wavveは389万人で、依然として追う立場にあることも指摘された。Disney+は同年『殺し屋たちの店2』『メイド・イン・コリア』シーズン2などの韓国作品を続々と投入しており、本作はその流れの一角を担った。

演技面では、パク・ボヨンの“すっぴん”での熱演について監督が「本当に素顔が見える。その勇気がすごかった」と称賛。一方で、初回のレビューでは「黒化を期待したのに、序盤のヒジュは恋人の指示に従うだけの受け身な人物で、もどかしい」という声も少なくなかった。監督はこの点について「初犯だから」と説明し、少しずつ欲望に沈んでいく過程を見せたかったと答えている。また「金塊にはシリアル番号や証明書があるのに簡単に換金できるのか」というツッコミに対しては、出どころを問わず金を地金として買い取って宝飾品に溶かし直す店もあるとし、店を回る場面は撮影の都合上「テジョン」という架空の地域に設定したと明かした。

キム・ソンチョル演じるウギは、ヒジュを「姉さん」と慕う姿から“国民の弟”と呼ばれるようになった。ヒジュとウギの関係が恋愛なのかどうかは放送中ずっと視聴者の議論の的になり、キム・ソンチョル本人は「ヒジュがドギョンと別れた後に芽生えた感情で、完全な愛ではない」と解釈している。監督も二人の関係を一言で定義しないようにしていたという。

日本での配信[編集]

日本ではディズニープラスの「スター」ブランドで独占配信された。韓国と同じ2026年4月29日16時に第1・2話が配信され、以降5月6日、13日、20日、27日の毎週水曜16時に2話ずつ更新された。日本語字幕版に加えて日本語吹替版も用意されている。日本のメディアでは「パク・ボヨン初のダークヒロイン」「『オールド・ボーイ』脚本家の初ドラマ」という点が大きく紹介された。

2026年に日本のディズニープラスで配信された韓国作品の中では、IUとビョン・ウソクが共演した宮廷ロマンス『21世紀の大君夫人』と並ぶ春の目玉として扱われた。偶然にも両作の主人公はどちらも「ヒジュ」という名前で、当時は同名ヒロインが同時期に配信される珍しい状況になった。

炎上とバズ[編集]

本作で大きな炎上は報じられていないが、序盤の主人公像を巡っては「もどかしい」「ヒジュがなかなか黒化しない」という不満が一部で噴出し、韓国のレビュー記事の見出しにもなった。また、金塊の換金方法などリアリティを問う声もあり、監督が終映インタビューで一つひとつ答える形になった。逆に、イ・グァンスの悪役ぶりとキム・ソンチョルの“国民の弟”化はSNSでバズを生み、作品の口コミを広げる原動力になった。

余談[編集]

  • キム・ソンチョルは役作りのため普段より高い声でパク・ボヨンを「姉さん」と呼び続けた。撮影開始から2か月ほどたった頃、パク・ボヨン本人から「一度だけ呼んでみて」と頼まれたという。
  • 監督はキム・ソンチョルに、ウギを「チンピラ3」のような存在と説明していた。キム・ソンチョルは、脇役に見える人物が物語の中心になっていく点に惹かれたと話している。拘束される場面では、手足を縛る演出を首を縛る形に変えることを自ら提案したという。
  • パク・ボヨンは銃が想像以上に重く、セリフに集中するのが大変だったと語った。体力が落ちたことが後半の力のないセリフに役立ったともいう。
  • 撮影現場の小道具の1kgの金塊を見たムン・ジョンヒは、思わず目を丸くしたと明かしている。
  • パク・ボヨンは本作の前に『未知のソウル』で第62回百想芸術大賞テレビ部門の女性最優秀演技賞を受賞しており、『今日もあなたに太陽を』『恋するムービー』と続いた作品群からの大きな路線転換になった。終映インタビューでは「次は明るくてかわいいロマンティックコメディをやりたい」と語っている。
  • キム・ソンチョルは本作のあと、チン・ギジュと共演するロマンティックコメディ『スリーピング・ドクター』で約5年ぶりのロマコメ主演を務める。過去には『その年、私たちは』や『地獄が呼んでいる』シーズン2にも出演している。
  • 同じDisney+では、イ・ビョンホンとハン・ジミン出演予定の韓国版『ジ・アメリカンズ』リメイク企画も発表されており、Disney+が韓国オリジナル作品への投資を強めている時期の作品でもある。

外部リンク[編集]

💬 みんなの声

この記事を読んだ人が、ひとことつぶやく場所です。